ムラトカミイロ

好きな人、作品、イベント、忘備録兼感情をことばにする練習。

あの日のSanta Feの話

 

 

 

ブログではお久しぶりです。Twitterでは毎日元気にツイ廃してます。皆様お元気でしょうか?

 

 

本当はニュージーズ終わりに全体のまとめの感想&大我さんへのくそでか感情をブログに書こうと思ったんだけど一年以上書いてないのでまぁ全部一気にいきなり書くのは無理だよなぁとなったんですが最近スペースでも2~3回、友にも2回、もはや小話レベルで話せるようになってきたあの日のSanta Feの話だけでもブログに残したいよねということで書いていこうと思います。

本当に全公演お疲れ様でした。このブログで中止の時に吐き出したブログがあったんですがやっとNEWSIESが公演したぞ!という所まで時が進めれますね。そこら辺の文はまた書きたいな!!!!

 

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今から書く「あの日」、それは2021年11月16日の昼公演の事でした。

ニュージーズ東京公演が終わり少し間が空いたあと、大阪公演は始まりました。そして感想が溢れるTLを眺めていて多分15日、フォロワーさん含めここにきてまたSanta Feの解釈が変わったというツイートを何個か見かけました。その時はほーんそうなんだ明日楽しみだな〜〜🎶ぐらいの気持ちだったんですがその時の私に言いたい。

 

とんでもねぇから!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!楽しみだな〜🎶くらいのテンションで見るもんじゃなかったわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!←

 

Santa Feの話に行く前に少しエリザの話をしたいと思います。はよ行けやって思った人はちょっと飛ばしてくれ。

 

 

ここでも話してる通り他の所でも何回も言ってるけれど私が最初に好きになったのは「俳優 京本大我」であり、またここに書いてある通りあのマイヤーリンクの衝撃が無かったら今ここまで大我さんの表現に魅入られていないということです。同年のFNS歌謡祭 冬で井上芳雄さんと「闇が広がる」を披露したと思うのですが(FNSさん大好きです今後とも宜しくお願い致します。)その時のルドルフは私があの時見たルドルフのままでした。芳雄さんの圧倒的表現力による人外感もさながらそこには京本大我では無く1人孤独に苦しむオーストリア皇太子がいたんです。

私が好きになる俳優さんの1番の共通点でありお芝居の中でも特に惹かれてしまう自覚を持っているのが「目のお芝居」です。

歌の前半部分

友達を忘れはしない

僕は今不安で壊れそうだ

と、後半部分

見過ごすのか?起ち上がれよ

王座に座るんだ!

王座

闇が広がる 今こそ起ち上がるとき

沈む世界を救うのは お前だ

闇が広がる 皇帝ルドルフは起ち上がる

京本ルドルフの目の色が前半と後半では違うんですよね。

 

幼い頃に母エリザベートから離され、皇太后ゾフィーの下、厳しい軍隊的教育を受けそれが繊細だった彼を追い詰め、7歳でようやく母エリザベートが親権を取り戻しますが、エリザベートは旅から旅を重ねてウィーンにとどまる事が少なくルドルフを放任。エリザベートが新しく任命した教育係の影響で自由主義思想を持ち、父親のフランツ・ヨーゼフ一世とは政治的思想が対立し親子の亀裂が生じます。

出典:登場時間20分弱!エリザベート歴代ルドルフ役(東宝・帝劇ミュージカル)について | ページ 2 | カフェ・ド・ミュージカル

 

闇が広がるが歌うまでのルドルフはこんな感じ、これを踏まえた上で見るとより分かりやすいのですが父との思想のぶつかり合い不安に苛まれている所にトートが現れます。そしてトートに挑発され、翻弄され、激動の革命の道、破滅への道へと進んでしまいます。そしてトートの目的は黄泉の世界にルドルフを迎え入れることでした。

ルドルフの最初の不安げな目線からトートに「立ち上がれよ」と鼓舞され目に力が宿ります。その前の「縛られて~」の時に手が首に行くところとかも皇太子としてずっと縛られ続けてきたというのも感じれますしなんと言っても最後の「皇帝ルドルフは立ち上がる」のあの目……あのらんらんとした目が私が撃ち抜かれたルドルフそのもので…その後のトートと手を握り会う時の息遣いが聞こえてきそうな顔もめちゃくちゃ好きです。(立ち上がれよからの芳雄さんの目のハイライトの消し方も天才なので見て欲しい。)

そしてここから最後の希望であった母からの拒絶がキーとなり、あの最後を迎えてしまうわけですが東宝さん今からでも遅くないから京本ルドルフの何かしらを出してくれよと日々思っています。

 

そんな大我さんの目のお芝居が好きな私、もちろんNEWSIESでもそれは健在でした。

 

 

私はNEWSIESを3回見たのですがSanta Feの印象はこんな感じ、1回目は本当にひたすら衝撃が強すぎてキャサリンとジャックの出会いすら覚えてないくらいでした、しっかりして欲しい。どれくらいすっ飛んでいたかというと私はジャックがストライキをし、警官たちと衝突した後仲間を置いていったにもかかわらず仲間たちが何も言わないことを疑問に思ったくらいです。ちゃんとよく見ればあらゆるシーンからジャックは仲間たちに信頼され、逃げ出したくらいで咎められるような人物ではなかったというのが分かるのに。2回目は最初からしっかりと周りとか色々見れたので疑問も消えました。

例えばデイヴィ。新聞売りの仕事を最初怪我でお父さんが働けなくなったので仕方なく始めたという感じが強く、ストライキにも意欲的ではなかったですがジャックの「ディヴィのお父さんに労働組合ってのがあったら今こうなってないはずだろ?(めっちゃニュアンス)」という台詞。私は個人的にディヴィがストライキをやろうと思ったきっかけの台詞なんじゃないかな〜なんて思ってます。

まぁディヴィをストライキに参加させ乗り気にさせるためのふっかけの一言だったのかもしれませんが。ディヴィとレスのことも入りたてだからちゃんと新聞売の仕事のことを教えて気にかけるのはもちろんですがお父さんのこと言われるのは1番ディヴィに響いた台詞なんじゃないかな〜って私は思いました。もし自分が労働組合を結成しストライキを成功させたらお父さんみたいに搾取される人達を救うことが出来るかもしれない。自分が行動を起こすことでそれが防げるかもしれない。ディヴィはどう思ったのでしょうか。最初はちょっと半ば強引感はありますが最終的には自分自身でストライキをすることを選びます。

私はその一言があったからこそジャックがストライキの後、塞ぎ込んでメッダの劇場に居たある意味で逃げようとした時にディヴィは説得しにきたのではと思っています。僕たちにはジャックが必要なんだと。自分を鼓舞してくれたのは貴方なのだと。皆そう思っていたはずです。

 

メッダの劇場 Watch What happensのリプライズでディヴィは怪物(ピュリツァー)は倒れかけているそして僕たちには計画があると歌います。キャサリン信念があると歌います。でも何より僕達、私達には仲間たちから信頼され、そして仲間たちを信頼し、みなぎる力をまとめさらなる“力”に出来る「ジャック」が居るとレスが歌うのです。

 

この時に多分、皆さん印象的だったのはジャックの帽子の扱いとジャックの目なんじゃないでしょうか?と思っています。私がそうでした。

 

3人に説得されポケットに入れていた帽子を取り出し見つめてからそれをぐっと深く被るジャック、その瞬間先程の塞ぎ込んだ目をしていた1人の青年はいなくなりその深く被りこんだ帽子の隙間から見える顔つきと目は皆が知っている「ジャック・ケリー」に戻ってるんですよね。そしてここで“ジャック”としての概念的な象徴であるのが帽子なのでは?と思い始める訳であります。脱帽している時は皆のキャプテンジャックではなくSanta Feに憧れを抱く普通の青年なのかなと。

 

 

あの日のSanta Feを見るまでの日生でのSanta Feの解釈としてはもうこちらのブログほぼそのままでSanta Feで歌う「確かなもの」って一体なんなんだろうというのも、もうほぼこちらなのでもう皆さん読んでくれよと言いたいんですけどまじでありがとうやのちゃん。

 

私が日生で見た時は有難いことに前方列で1回目に見た時より表情がとても見やすかったのですが1番びっくりしたのはストライキで警察と衝突した際に次々と仲間が殴られ、蹴られていく中オケピの前のゾーンの下手の階段にジャックが来る所でした。もうね、顔面蒼白だったんですよジャック。目を大きく見開き手で口を覆い体全体を震わせながらガチガチという音が聞こえてくる位に脅えていたんですよ。そんな中様々な所から聞こえてくる仲間たちの悲痛なジャック!!!!!!ジャック!!!!!!ジャックーー!!!

 

いやまじでしんどい。

 

そして一際声の気迫が凄かったのがクラッチー。いやもうその声はスリルミーやん…………………()って思わず頭抱えちゃった位しんどかったです。悪い方の足を蹴られ這いつくばりながら「ジャック助けて!!!!!いやだ行きたくない!!!嫌だーーーーー!!!」と言いながら手錠をかけられて上手に引きずられていくクラッチーですよ………2回目見た時に最初の2人のSanta Feを聞いてる時にその場面がフラッシュバックしてしまいまだ爽やかなシーンなのにしんどくなってしまったりもしました、広大くんよ貴方のせいですよ…(褒めてます)

 

そもそもジャックという人物は仲間たちに信頼されていてまとめ役、引っ張っていく役でもありますがそれと同時にとても繊細でリーダーとしては弱い部分も沢山あるのが私はとても魅力的に感じたというか雑誌で大我さんが「新聞販売の少年たちを引っ張っていくんですけど突っ走ると言うよりは結構折れやすかったりどこか弱さを持っていて周りが守ってあげたくなるような愛され要素がしっかりあるリーダーなんだと思うんです」と元々仰ってはいましたか思ってたよりそ弱さの部分が強かったので特に惹かれたのかなぁと思っています。

 

私が好きだったのはストライキ決行する朝の前日カフェでキャサリンと2人になるシーン。キャサリン(ストライキをするのが)怖くないの?と聞かれたジャックは怖がってるように見えるか?と言ってからまぁ明日になったらもう一度聞いてくれと言います。一回目の時はキャサリンに向き合っている時以外の表情にどこか不安があるようなニュアンスを少し感じつつも基本的にはおどけて返していたのが印象的で、2回目見た時は前日は完全に不安の色が見えなかったのですが当日の朝やはり完璧に自信は持ててないような、そんなジャックが好きだなと思いました。もう一度聞いてくれというのは聞いて俺自信を確認してくれよなって意味もあったんじゃないかな、なんて。

 

というのを踏まえつつが自分の名前を叫びながら仲間たちが殴られる場面を自分で目の当たりにしたジャックは自分が背負っていた責任と自分がこの状況を招いたのだという実感を想像はしていたしこうなるかもしれないとは分かってはいたけどここでちゃんと理解したのではないでしょうか。そして怖くなった。逃げ出した。

 

仲間たちに信じてもらっていたキャプテンジャックなのにも関わらず逃げてしまった罪悪感。でも全部背負うのは疲れた。どこかへ逃げたい。まだ17歳なのに。全てを捨ててただただSanta Feに行きたい。新しい場所で全てをやり直したい。今日の辛いことなんて忘れたい。Santa Feにさえ行ければ何もかもか変わる気がする。Santa Feに行く夢を今夢で終わらせるのか?

 

そんな気持ちが入り交じってた歌なのかなと思っています。2回目に見た時はそのストライキのシーンを間近で見れたこともあり繋がりを感じて思わず涙してしまいました。そしてSanta Feの歌い出す辺り、両手で柵を握り下を向いていた顔をばっと上げた際に見えたその表情は少しあどけなかったのを覚えています。絶望の中にひたすら夢に見ていた「Santa Fe」という希望を見出すその姿はなんとも言えず胸を打たれました。その希望に縋るように、託すように、そして愛までも捧げ歌うその姿に。

 

 

そしてあの日…

 

 

↑見た直後の私の様子。いや、本当に衝撃でした。あまりの衝撃に一瞬何が起こったのかよく分からずSanta Feが終わり、拍手も出来ず持っていた望遠鏡をただ下ろすことだけしか出来なかったくらいでした。

 

まず何がそんなに違ったのかという話だと思うのですが確実に言えることは2回目見た時よりもかなり絶望の度合いが深くなっていたということです。なんか、考えられないくらいに。私がとっさにM!のヴォルフガングを連想させたのはきっとそこなんだろうなと。

 

M!(モーツァルト!)の主人公、ヴォルフガングは自分の才能を信じ高みを目指す一方で、その才能に縛られ苦しめられながらその一生を生きていきます。自分の少年時代の容姿をした少年が自分の“才能”として可視化され全編通してヴォルフガングのそばに居るのです。その才能と運命に流され、時に抗いながらヴォルフガングの人生を追うストーリーなのですがその時に感じた圧倒的な絶望。それと似ていたのでしょう。

実際に大我さんがいつかヴォルフガングをやりたいと仰っていましたが私は今まで正直上手くイメージすることが出来ませんでした。けどあの日のSanta Feを聞いて出てきた言葉は今すぐダッシュでヴォルフガングでしょ!?!?!?でした←

 

もっと具体的な事を言うとするならば脱帽のタイミングが遅めであったこと、そして曲の途中で膝から崩れ落ち、「諦めない」で柵を持ちながらなんとか立ち上がったこと、そして私が1番覚えていたのがSanta Feの最後のロングトーンの後の表情でした。

 

 

公式動画にあるように顔のパーツを真ん中にぎゅっと集めたような苦しげな表情だったりどこか虚ろでふらふら歩き回ったり、そんな感じで歌っていたのですが最後右腕を空に掲げ瞳孔がガン開きになり、糸が切れた様に力が抜け、ずっと抱えていたものがふと落ちたような、一切の光がない目をただ空に向けて暗転したんですよね。

 

 

 

いやーーーーーあのね、ここまで言っといてなんなんだって話なんですけどまじで分からなかった。何も。

2回目見た時はあーそうなんだなーと肌感覚でわかったもののこれを見た時には頭に??????????しか浮かばなくて、あまりの圧倒的な何かに少しゾッとしたくらいだった。この圧倒的な“負の感情の爆発”に取り憑かれてしまった。

 

私はお芝居って役と同一視とかそう意味ではなくやはりその俳優さん本人が持ってる感情だったり経験だったり、それらがお芝居の根にあってそこから枝分かれして「役」という葉や花をつけたりするものだと思ってるんですね。とりわけ人間の負の感情や本能的な欲求に近いお芝居となるとその根の部分がどうしても出てくるものだなぁと。

 

大我さんのそのお芝居が本能的に好きだしルドルフの最後を見て惹かれてここまできてしまった所があるのでもう唸るしかありませんでした。あの顔がジャックのどのような感情だったのか、未だに分からないまま私の記憶の中に鎮座しています。でも私は分からないからこそここまで忘れられない事態になったんだなぁと思っています。まじで何もわからん。

 

舞台は生物という言葉の通りやはりいくらインプットの機会があってもあの舞台の上でアウトプットしなければ得られないことが沢山あると思っていてそしてそれを俳優さんたちが受け取って話し合って日々進化していくので本当に面白いんですよね。チケットを取れれば通ってしまう理由をまたここに見いだしてしまった気がします。

そしてインライで大我さんがお話していたのですがSanta Feの曲中の脱帽のタイミング等も特に気にせずその日の感じでやっているというのを聞いていやそんな感じで39公演やり続けたらあのSanta Feが爆誕するのか…一体全体どういうこっちゃ……とも思ってしまった私も居たりw

 

 

とりあえず本当にNEWSIESでまた俳優 京本大我の新しい引き出しを沢山見せてもらう事が出来て心が踊りまくったし作品自体もめちゃくちゃ楽しくてまだまだ言い足りない事が山ほどあるのですが今回に関してはここら辺で閉めさせてもらいます。まじであのSanta Fe見た人の他の感想が見たいので心当たりのある人は何かしら私に送り付けてください。

 

 

 

そしてまた来年の夏、大我さんの新しい舞台のお仕事が!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!嬉しい!!!!!!!!!けど見れるかどうか(チケット取れるか)心配だけど!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!←

神様お願いします!!!!!!!!!!!!!!!!